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Anemaziro~アネマジロ的考察~

Anemaziro~アネマジロ的考察~

彦坂眞一郎的四国-ほたる

ゲンジボタルのピークがそろそろ過ぎてしまうというこの時期に、僕はホタルの事を思い出してしまいました。見たい!息子達にも見せたい!そんな思いでネット上を捜しておりましたら、なんと僕の家から車で20分ほどの自然観察園で見る事ができる事を知りました。早速今日、20時過ぎにレッスンを終えて、下見がてら車を走らせて行ってみたのですが、ガッッチリ閉ざされた鉄の門に「17時閉園」の文字。ホタルが見られる時は夜も開いているとの情報だったのですが、残念です。もうみんな死んでしまったのかな。昭和音大から車で30分位のところでも見る事ができるようなので、今週、レッスンが終わったら行ってみようと思っています。
僕の母の実家は香川県ですが、僕が小学校の低学年の頃は、それこそホタルが乱舞していました(僕がアネマジロのサンダルを流してしまった小川です)。ところが、20数年以上前の事だと思うのですが、護岸されてあっという間に姿を消してしまいました。それよりさらに10年ほど前、何かのお祭りの帰りにそのホタルを沢山捕まえて、蚊屋の中に放したりしましたが、当然翌朝は皆死んでおり、漠然と命のはかなさや自分の残酷さについて考えたのを覚えています。蚊屋の中で明滅を繰り返すホタルのおかげで、仏壇のある広い座敷が、その日ばかりは少しも恐ろしくありませんでした。反対にホタル達はやわらかな安心で僕を包んでくれ、僕は笑顔を顔に貼付けたまま眠りについたというのに。
最近ホタルを見る事ができる場所の多くでは、当然ホタルの捕獲は禁止されています。幼い子供が手をのばし、触ろうとしただけで監視員のおじさんに怒られたりするそうです。怒られたその子は、僕が経験することができた事(昔は当たり前だった事)、命の儚さや、人の心の身勝手さに思い当たる機会を一つ得られなかったことになります。ホタルを減少させたのも大人達なら、さわることを禁止しているのも大人達です、二重のやり方で。
豊かに生きる事を願い、追い求めてやまない僕たちですが、豊かさってなんだろうか、幸せってなんだろうかと考えさせられます。昔はあたりまえ、今は宝石のような光る命、ホタル。今手にしている物は、いつかは自分の指の隙間からこぼれ落ちて、消えて行ってしまう事ばかりだというのに。
皆さんのところでは、まだホタルは飛んでいますか?


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